大峰・旭ノ川のゴルジュで流水スイミング

Tekapo

2014年08月26日 20:58

今年もやってきました大峰・旭ノ川 

沢登り&ゴルジュ・スイミングを満喫です。








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天候不順な今年の夏。

週末ごとに台風やゲリラ豪雨による被害が続出している今日この頃。

今回の大峰・旭ノ川沢登りも雨天順延となってようやく今日の遡行決行となった。





旭ノ川本流は大峰・釈迦ヶ岳や七面山の水を集める沢。

今回の遡行範囲は旭ダムの上流から

中ノ川と宇無ノ川の出合までを遡っていくのである。

旭ノ川本流は、全体に谷が開けており水量が多く、落差の大きい滝はないが、

ゴルジュや渕が連続している箇所があり、スイミングで突破するという

醍醐味が味わえるのである。

沢難易度は3級といわれているが、最後に現れる「長渕」と呼ばれるゴルジュが

その難易度を決定しているのであろう。





旭ダムの某駐車場に前泊し、迎えた8月24日。

空模様は曇り空。予報では午前中は曇りだが、午後からは雨が降り出すかもという状況。

幸い、昨夜の雨の量は少なく、沢の水量増はそれほどでもないだろうと遡行を決行。

AM7:20 旭ダム湖が終わった辺りから林道を降りて河原へと降り立つ。








果たして水量は・・・・ 昨年よりは少し多いくらいか。







今回の沢登りはベテラン沢ヤ&釣師の童子会の方とのコラボ企画。

しかし、予定が順延となったために集まったメンバーは残念ながら合計5名。

ゴマさん、神戸のカッパさん、私テカポ。

童子会からは山童子さんと和歌山のカッパさん。



開けた沢をしばらくは歩いていく。

水の透明度は高く、少々の雨では簡単には濁らないようだ。

早速小さな渕がやってきた。

両岸のどちらかをヘツっていくことも出来そうだが、

安全面や時間ロスを考えると泳いだ方が早い~ってことで

皆さん「ドボン~!!」です。










泳ぎがメインであるため、今回も私は上下3mm厚のウェットスーツを装着。

これなら躊躇なく流れにダイブできるんですねぇ~








川幅一杯の瀞場。なんとも美しい光景です。










AM8:50 二重滝が見えてきた。











ここは一つ目の滝の釜を右岸から左岸へ泳ぎ渡り突破するのである。

深いグリーン色の釜はかなり深そうだが、躊躇は無用のダイブ!!










釜を流れる水流に流されない内に泳ぎ切らないといけない。

二重滝を流れる水量を観察するとやはり昨年よりもかなり多いようだ。







これは最後の「長渕」が苦労しそうだなぁ~











AM9:12 次なる見どころは「おにぎり岩」と呼ばれる大岩がある3m滝。












ここは直径20m位の大きな釜があり、その釜の水際左をトラバース。

そして滝の左手を登っていくのである。

ここでは念のため30mのフローティングロープを出して、サポートを行う。














登り上がった先にはおにぎり岩。











丸い岩の形に、増水すれば転がって行きそうなもんだが、昔からここにあるそうだ。



photo by yamawarashi-san









小さな渕や滝が次々と現れて飽きさせない。

ここでは、右岸から左岸へ渡らなければいけないのだが、

水流が強いので、上流から沢へダイブし、流されながら左岸へ渡る手法をとった。













それでも失敗すればそのまま流されて振り出しへ戻ってしまう。

体力を消耗してしまうので一発成功を狙ってチャレンジだ。

垂らされたスリングをキャッチして~











最後はスリングで岸へ引き上げてもらい、無事成功!!













AM10:30 林道が沢沿いまで降りてきている箇所でランチタイム。

度重なるスイミングにお腹も減ってしまうのである。

AM11:20 遡行再開。

またもや瀞場が連続する。








ここは流れが速い。後続のためにフローティングロープを流しながら

私がトップでスイミングで突破する。








瀞の奥には2m滝があるのが、水量が多く滝の中を登ってはいけない。

左岸へ上がり、後続へコールを送る。

後続もロープがあるとはいえ水流がある中を泳いでいくので、

低い水温に体力を奪われるのである。

皆さん、さすがに泳ぎ切った後は疲れた様子が伺える。













目の前には狭まるゴルジュと深い瀞場、「長渕」だ。














瀞場の長さは50mある。

フローティングロープは私の15mと山童子さんのが30m。

それを繋いでも一回では瀞場にロープを張りきらないので、

途中のレスト出来るポイントまで私がトップで泳いでいく。

最初は比較的緩い流れ。ザックの上に乗っかるように背泳ぎで進んでいく。



photo by yamawarashi-san









この泳ぎなら体力の消耗も少なく泳いでいける。

中間ポイントへ着いた。しかしそこは昨年は腰くらいの水位だった箇所だったが、

今日は首下まで水量があった。

コールを送り、後続がやってくる。私もしっかりと岩に掴まっていないと

ロープの引きと水流に体が流されてしまいそうだ。












そして3ピッチ目。恐らくこれで長渕を泳ぎ切れるはずだ。

しかしここが一番の難所。

ゴルジュの幅が一番狭くなり、その分、水流が強くなっているのである。

果たして泳ぎ切れるだろうか。失敗すれば体力の消耗で2回目は無理だろう。

再びトップで渕を泳いでいく。




しかし・・・・ 流れが強く途中からは泳げなくなった。

ゴルジュのわずかな岩の突起に指先を引っかけながら少しずつ進んでいく。

そして一番ゴルジュが狭まった箇所へとやってきた。




流れが強い!!





必至に岩を掴むもザックを担いだ体は流れの抵抗も強く、下流へと引きはがされてしまう。

当然足なんて届かないので腕と指の力だけで流れに逆らいながら進んでいく。

水中では体が完全に斜め45度状態だ。

10分以上、流れに翻弄されたであろうか。

なんとか岸へたどり着いた。

後続へコールを送る。




流れの中で水に浸かりながら待機していた仲間たち。

すっかり体が冷えてしまっているだろう。

待機時間を少しでも少なくするため複数人ずつロープを伝い遡行してもらうが、

強い流れに私のハーネスに掛かる荷重はかなりのものであった。













PM1:30 最後の滝「引木滝」にやってきた。

ここは山童子さんにリードしてもらい、支点を設置。

その後ひとりづつアッセンダーやプルージックで登っていくのである。













そんな今日一日の苦難を労うかのように「岩の洞門」が迎えてくれる。














見事なまでの自然の岩の造形。

今年もここまで来れたことに安堵と感動を覚えるのである。

中ノ川との出合いに架かる吊り橋を渡り、後は林道を下っていく。




林道は不動小屋谷の先で崩壊のため車は通れないので、そこまで歩き、

デポ車に乗り込み旭ダム駐車場へと戻ってきた。PM3:30

着替えの最中、あちこちから「ヒル発見!」の声が上がる。

幸い、吸血された方はおらず、「ヒル下りのジョニー」で退治。





帰る途中、奈良・葛城市辺りは土砂降りの雨が直前まで降っていたようで

あちこちの道路が冠水していた。大阪も各地でゲリラ豪雨だったとのこと。

午後からの雨を見越し、少人数での早い遡行も幸いとなったのであろう。

遡行中には雨に降られるとこなく我々の運の強さを感じるのであった。


旭ノ川、これからも真夏のお楽しみとなりそうな沢ですよ。


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