立山・浄土山から弥陀ヶ原を経て美女平へ 山スキー滑降

Tekapo

2015年04月14日 21:40

富山長期出張が始まって2週間余り。

春スキーの季節に巡ってきた最高の山スキーのチャンスを逃さずゲットすることが出来た。









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昨年の11月、白山での山スキーで出会ったsanchanさん、

そしてそのヤマレコ仲間であるNishidenさんが企画された

今回の山スキーツアー。

その企画に私も参加させていただいたのであった。




今回の企画の最大の魅力は、

立山アルペンルートが弥陀ヶ原までの部分開通であるということ。

弥陀ヶ原から天狗山~国見岳~浄土山へと稜線を辿り、

翌日は雄山へ登り、憧れの山崎カールを滑り降りるというのである。

氷河地形のカールを滑り降りるというだけで、

なんともテンションが上がりそうなものである。

さらにアルペンルートが部分開通であるため、

おそらくまだ誰も滑っていない斜面を独占できるであろう、

そのことが最高の状況を愉しめることだろう。

期待が膨らむのであった。










4月11日、立山駅にはほとんど人がいない。

我々以外にスキー道具を持った人は一人のみ。

それ以外は数人のトレッキングや観光、そして工事関係者のみ。

早くも貸切状態の立山が予感された。







弥陀が原へ到着後、いきなり稜線へのシール登行。









登り始めは大日岳もはっきりと見えているようだ。

昨晩、薄らと積もった湿雪にシールの効きが悪い。

急斜面でのジグを切りながら、厳しい登行を繰り返す。

おまけに辺りはガスで真っ白。









状況としてはかなり悪い状態。

そんな中、redsronさんが体調不良を訴え、

残念ながら下山となってしまった。

その後もガスの中を辛いシール登行を続けて、

天狗山、国見岳を通過していくと、

標高が上がったこともあり、ガスが薄らいできたようだ。












浄土山への登りは本日最後の急勾配。

クトーも効きが悪く、苦行のシール登高であった。











振り返るとなんと雲海が眼下に見えるではないか。











一気にテンションUP!

最後はスキーを担いでアイゼン登行で浄土山へと登り上げた。



photo by sanchan-san








そこから見えたのは、

「この世の最上の景色、天国のような景色。」

ここは浄土山であった。










ゆっくりと躍動する雲海、照り付ける太陽、

そして北には剱岳と雄山。





南には眼下に五色ヶ原、その先には薬師岳から

槍ヶ岳への超大絶景が広がっていた(トップの写真)。






なんという贅沢な時間、

この瞬間を引き当てた幸運に感謝をするのであった。

今夜の泊りは、浄土山南峰の富山大学研究所であり、

同行のNishidenさんが大学関係者であることから

泊ることが出来たのである。








小屋のノートには宿泊者が記帳することが義務付けられており、

それことが我々が今年の一番乗りであることを証明していた。








夕食の準備を済ませ、一旦小屋の外へ。

そこには奇跡のような光景が・・・・





染まる剱岳と雄山










五色ヶ原と薬師岳











アーベンロートにすべての山嶺がオレンジ色の染まっていたのであった。







小屋内でのプチ宴会、みんなで持ち寄った食材とお酒を愉しみ、

夜は更けていく。

就寝前に満天の星を愉しみ、この日はお休み・・・




photo by sanchan-san







翌日4月12日、空は快晴、予想以上の好天気にテンションは上がったままだ。




雄山の山影からのご来光







まずは一の越までの大斜面を滑り降りる。

表面はややカリカリであるが、エッジもなんとか効くので

気持ちいいターンが真っ白な斜面に刻まれていく。







動画はこちら






一の越から雄山への登り、スキーを担いでアイゼン&ピッケル登行。











慎重に足を運び、雄山へ着いた。



photo by Nishiden-san









ここからは後立山連峰の絶景も楽しめた。













そして最大のイベント、山崎カールの滑降だ。

上部の最大斜度は40度ほど。

クラストしている箇所もあるが、エッジの切り返しが気持ちよく決まる。




ファーストトラックを刻むsanchan









photo by sanchan









なによりも面ツルの真っ白な斜面が最高に気持ちいい。

振り返るとカール地形を滑ってきたんだというのがわかる。




3本目を刻むNishiden-san








室堂へと滑り降り、









ここから再び天狗山山頂へシール登行だ。











開通前の無人の「雪の大谷」











昨日とは違い雄大な地形が高度を上げるほどに臨める。











天狗山手前のコル、南側は立山カルデラに大きく切れ込んでいる。










稜線を辿り、天狗山へ着くと、偶然の出逢いが待っていた。

昨年末、取立山で一緒にラッセルを愉しんだミラーさん達だ。

なんとNishidenさんもsanchanさんともお知り合いとのことで、

楽しい会話が弾むのであった。








弥陀ヶ原の絶景を見下ろしながらの大滑降、










そしてその弥陀ヶ原の大雪原を高原道路沿いに滑り降りていく。












右手には悪城の壁と呼ばれる絶壁が迫ってきた。

この辺りから滑り降りるのも苦行となってくる。

途中、大観峰では称名滝を初めて見るアングルで堪能し、

美女平へと滑り降りていった。











体力、気力ともに目一杯の二日間であったが、

それ以上に立山の美しい景色と劇的な天候の好転に

山スキーならではの魅力を満喫出来たのであった。

企画されたNishidenさん、そして同行された皆さんへ

感謝の気持ちと感動を共有出来たことにお礼を申し上げます。


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