ダイヤモンドトレール、通称「ダイトレ」
大阪と奈良・和歌山の県境に位置する二上山から葛城山~金剛山~岩湧山~槇尾山までの
全長50kmに及ぶロングトレールである。
学生時代は、二上山から葛城山までの「25kg歩荷」や紀見峠~金剛山までの「30kg歩荷」で
鍛錬を重ねた思い出ある場所なのだ。
毎年、このコースの一部を利用して「ダイトレ・チャレンジ」なる大会が開催されており、
参加者は「マラソンの部」と「一般登山の部」に分かれ、競技が行われるのそうだ。
「マラソンの部」は二上山から紀見峠までのアップダウンの激しいコースを走るのだが、
走ればすぐに膝が痛む私には無縁の世界だ。
「一般登山の部」は初級、中級、上級に別れ、個人のレベルに応じてチャレンジ出来るので私向きかも。
初級は二上山から葛城山までの14km 約5.5時間コース
中級は二上山から金剛山までの21km 約8.0時間コース
上級は二上山から紀見峠までの36km 約12時間コース
といったコース分け。
今年は日程も合いそうなので、ぜひともチャレンジしようと思い、
そのトレーニングとして実践コースで足試しを決行してみたのであった。
3月23日 始発の電車で近鉄・二上神社口駅に到着。
今年からスタート地点ではなくなった道の駅「ふたかみパーク當麻」を
AM5:45 出発(標高100m)
ザックの荷物は約7.0kg。着替えや防寒着、行動食、カメラやミニ三脚と
適当にザックに詰め込んだらこんな重量になった。
大会当日はもっと軽量化を図る必要があるかな。
AM6:45 二上山雌岳(標高474m)到着 (区間タイム1:00)
昇ったばかりの太陽が奈良盆地を赤く染めている。
反対の大阪平野は曇り空の下のようだ。
いったん、大阪側の「万葉の森」(標高220m)へ降りる。
ここにチェックポイントが設けられるからだ。
竹ノ内峠からふたたびダイトレに戻り、p403を越えていく。
AM7:55 平石峠(標高388m)到着 (区間タイム1:10)
このあたりで早くもトレランの方が二人、風のように追い抜いていった。
ここからは岩橋山659mへの登りがあり、連続した丸太階段が出現する。
この登りでもトレランの方が二人ほど抜いていった。
あのスピードなら昼前にでも紀見峠に着くことが出来るのだろう。
私には程遠い世界に思われた。
岩橋山で少し足を休めながらの食糧補給。
まだまだ足の調子はいいようだ。
AM8:50岩橋峠(標高567m)到着 (区間タイム0:55)
ここから葛城山頂まではほぼ登りオンリー。
丸太階段も多数あり、最初の難関を迎える。
それでも背中の荷は軽いので比較的いいペースで足を進める。
若干の足の疲労感を感じながらもペースは落ちない。
そして通称「地獄の階段」に差し掛かる。
ここは登りの階段が5か所、下りの階段が1か所続く難所。
丸太の階段は自分の歩幅に合わせ辛く、ペースを乱してしまう。
背中の荷は軽いものだからついついペースが速くなるけれど、
日ごろのトレーニングなんて全くしていないもんだから足の疲労が意外と早くやってきた。
それでもなんとか「地獄の階段」を登り切り、
AM10:15 葛城山頂(標高959m)到着 (区間タイム1:25)
初級コースはとりあえずクリア。ここまでの所要時間4:30 なので、標準タイムより1時間は早いようだ。
山頂はガスガスの状態で展望ゼロ。
トイレ休憩、行動食補給で15分ほどの休憩後、水越峠へ向けてAM10:30再スタート。
この15分の休憩で足の疲労感はだいぶよくなったと調子づいた私。
普段の登山ならトレッキングポールで膝をいたわりながらゆっくりと下っていくのに、
この日はポールなしでタンタンと下っていってしまった。
下り始めて20分、右膝に激痛が訪れる。そして程なくして左膝にも。
「やってしまった~」
ここんところ、雪山などでも膝の調子が良かったもんだから
膝痛のことをすっかりと忘れていた自分が情けない。
AM11:10 水越峠(標高515m)到着 (区間タイム0:40)
水越峠から金剛山までは約2時間少しのコースタイム。
先ほどまでの足の調子なら1時間少々で登っていけただろうが、
今となってはコースタイム通りも難しい状態。
ダイトレコースはしばらくは林道を歩くが、ここでも足が前に進まない。
やがて山道に入り、丸太階段が再び始まるが・・・・
膝の痛みに足が全く上がらない。おまけに心拍数も上がってこないので体温が下がる一方。
逆に標高は上がっているので気温は下がる。
体が完全に冷え切ってしまった。
体が重い・・・・
ようやく一の鳥居をくぐり、
葛木神社の石段の手摺に助けを借りながら登り切ると
AM12:55 金剛山頂(標高1125m)到着 (区間タイム1:45)
激痛が走る両膝に歯を食いしばりながら、山頂広場へ。
膝に消炎スプレーを塗布し、食糧補給を兼ねて大休止。
40分程休憩をしてみるも、一度痛めた膝は簡単には治まらない。
ここから紀見峠まではまだ4時間近くかかる。
ましてやこんな膝の状態ならば倍以上かかっても辿り着けないだろう。
決断の時・・・・「中級コース」にて撤退!!
ここまでの記録 6:10 (休憩タイム含む)
標準タイムの8時間より2時間近くは早いだろうが、
それよりも自分の馬鹿さ加減が悔やまれる。
まだまだ自分の体がよくわかっていないんだなぁ~と反省しなければいけない。
その後の私は、伏見峠からの下山コースを膝の激痛に耐え、
何人もの人に抜かれながら登山口へとトボトボと下っていくのであった。
さて、迎える4月14日 当日までに膝の回復を迎え、無事に出走なるか・・・乞うご期待!?
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