『点の記』に憧れて、長次郎谷から剱岳 前編

Tekapo

2013年08月05日 22:56

晴天の立山~別山プチ縦走









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8月3日AM7:15 立山・室堂ターミナルに立っていた。

見上げると夏の北アルプスの空。














7月の末から再び富山県へ長期出張となった。

季節は夏。

富山市内からは剱・立山が見えるこの環境。

この状況で山に行かない理由はない。






この出張が決まってから、まず一番に行きたい山は決まっていた。


「剱岳」


今年の冬の出張の時から、あの荘厳なる景色を見ていて、

近いうちに絶対登ってやると密かに想い続けていた。


その想いを遂げる日が意外と早くやってきたのである。







剱岳を登るのに、決めていたことがあった。




「長次郎谷」から登ってみたいと・・・





バリエーションルート入門とも言われるこのコース。

核心部である長次郎のコル近くは40度近い斜度があり、

的確なアイゼンワークとピッケルワーク、滑落停止技術が必修である。




さらに長次郎のコルから剱岳までは「北方稜線」の一部を

登らなくてはならない。

北穂の大キレットのような鎖や梯子、矢印のペイントなんて一切ないのである。

自分みたいな未熟な技術では、太刀打ち出来ないであろうか。

しかも単独行で目指そうというのである。

無謀ではないかという思いが出発直前まで脳裏をよぎる。










室堂展望台に上がり、夏空の下、立山や剱岳を遠望した瞬間、

そんな不安な気持ちが一切吹き飛んだ。

なんて単純な自分・・・・



















一の越へ向けて快調な足取りで登っていく。

残雪に照り返す日差しが眩しい。














AM8:15 一の越着

ここからは北アルプス南部が一望出来る。









真っ先に目に飛び込んだのは槍ヶ岳。










さらに笠ヶ岳と黒部五郎岳。













昨年の夏に歩いた山々が見渡せ、なんとも感慨深い。

雄山へ向けて登っていき、振り返るとカール地形が特徴の薬師岳が見えた。

そして五色ヶ原。見事な平原に見とれてしまう。















AM9:05 雄山到着。
















北アルプスから中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳、そして富士山が

雲海にぽっかりと浮かんでいるようだ。














御前沢から湧き上る雲













神社に前途の無事をお祈りする。















雄山を過ぎるとそこからはプチ縦走気分

左手には山崎カール














振り返る雄山















富士ノ折立を過ぎると右手には内蔵助カール














縦走路を高山植物が彩る














別山に到着

ここからは剱岳が間近に見える。












山頂の手前の沢が平蔵谷、そしてその奥が明日登る予定の長次郎谷だ。

アップしてみると・・・・






















雪渓上部が断裂しているように見える





それにしてもなんという景色なんだろう。

これほどまでに岩と雪に囲まれた山塊だとは。

遠くには白馬三山














剱沢が見えてきた。























キャンプ場には多くのテントが張られているようだ。

AM12:00ちょうど剱沢キャンプ場に到着。








今回はこのザックにはデジタル一眼と三脚は入っていない。

その代わりにアイゼンとピッケル、ヘルメット、そして明日のアタック用のザックが

このグレゴリー・トリコニに詰め込まれている。








剱岳山頂がガスに覆われてきた。








でも明日は今日よりももっといい天気だと予報は伝えているので大丈夫だろう。












雪渓の雪でビールを冷やし、夕食までの時間を読書をしたり、

装備のチェックをしたりと、のんびりとした時間を満喫する。








大好きな瞬間だ。

ましてや目の前には剱岳の雄姿。

最高のロケーションを楽しむひと時。
















ギラギラとテン場を照り付けていた太陽もようやく山影に隠れ、

待ちに待った夕食タイム。

厚切りベーコンをアテにビールを飲み始める。











明日への成功を込めて・・・・









剱岳山頂を覆っていた白いベールが取れ、夕暮れのグラデーションタイム




























そして、賑やかだったキャンプ場も次第に静かになり、

夜の闇へと沈んでいくのであった。

明日へのアタックに備えて・・・・・・




「 『点の記』に憧れて、長次郎谷から剱岳 後編 」に続きます





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