10月13日、北アルプス一帯は初冠雪に覆われた。
立山周辺も1~2㎝の積雪となり、わずかに残った紅葉を際立たせてくれ、
笹などの緑と空の青が彩りを添えてくれた。
立山駅で始発ケーブルの発売を待っていると、駅係員からのアナウンス。
「今日の室堂は晴れ。1センチほどの積雪があり、気温は氷点下3度です。」
これはひょっとして最高の一日になるのでは・・・と期待が膨らむ。
ただ少し気がかりなのは軽アイゼンを持ってこなかったこと。
しかし、天気がいいので、登り出す頃には雪も緩んでくるだろうと、
予定通りの大日三山縦走を決め込んだ。
AM6:00の始発ケーブルには乗れなかったが、今日は3連休ということもあり、
臨時便のAM6:10に乗ることが出来た。
さらに美女平からのバスも増発となり、室堂には時刻表にある始発便到着時間よりも
15分早いAM7:15に到着した。
今日のコースは、室堂から雷鳥沢、新室堂乗越へと登り、ここからは大日三山を縦走。
大日小屋からは一気に1500mを下り称名滝までの9時間35分のコースタイム。
しかし、コースタイム通りに歩いていては称名滝から立山駅までの最終バスPM4:40には
間に合わないので、タイムスケジュールを考えて歩かなくてはいけない。
AM7:30 雄山の上に姿を現した朝日を浴びながらスタート。
ミクリガ池に映えるもう一つの朝日
粗氷が朝日を浴びて輝く
ミクリガ池越しに別山乗越を望む。
立山三山も真っ白だ。
雷鳥沢には多くのテント。
昨晩は風雪が強かったことだろう。
フライシートの雪をはね飛ばしている、朝のテント場の光景。
新室堂乗越への登り。
稜線へと延びる白いトレール
チングルマは少し色が褪せてきたが、雪のお蔭で色が映える。
振り返ると地獄谷から盛んにガスが立ち上っている。
そして称名川が平原を深く刻んでいるのがよくわかる。
新室堂乗越から剱岳が望める。
冠雪した姿も美しい。
中腹の紅葉とのコントラストがいい感じだ。
天狗平を走る高原バス。まるでジオラマの世界だ。
ナナカマドと剱岳
天狗平からいきなり崖となって落ち込む称名廊下。
剱岳と草紅葉も絵になるなぁ~
奥大日岳への登り。
弥陀ヶ原が眼下に見えてきた。
こちらは天狗平よりもさらに大きな平原。
なんて見事な平原なんだと感動してしまう。
高原バスが動いている様は、ほんとジオラマを見ているようだ。
そして大きく切れ込む称名廊下。
ここにも粗氷が誕生していた。
AM9:50 奥大日岳着。コースタイムよりも1時間以上早い。
いいペースで歩けている。これなら楽々最終バスに間に合いそうだ。
奥大日岳から西側は少し鎖場もあるが、それほど危険ではない。
常に右手に剱岳を見ながらの快適縦走コース。
左手には弥陀ヶ原とその奥には薬師岳。
AM10:55 大日小屋通過、AM11:15大日岳に到着。
ここからの剱岳も最高だ。
後立山連峰もよく見える。白馬岳辺りも真っ白だ。
剱岳の絶景を眺めながらのランチタイム。いい気分。
AM11:55 下山開始。
最終バスまでは5時間近く余裕がある。
山頂から称名滝までは1500mの激下り。
以前なら、こんな下りでは膝が悲鳴をあげていたが、最近はテーピング&サポートタイツの
ダブル効果で膝痛が鳴りを潜めている。下りへの恐怖心が無くなったのが嬉しい。
大日小屋から少し下ると、眼下には綺麗なカーブを描いた谷と、その先に続く大日平の平原。
ちょうどこの辺りの紅葉が見ごろとなっているようだ。
ただ、先日の台風により木々はほとんどの葉を落としているので、
彩りが寂しいのが残念だ。
それでも広がる風景はなんともメルヘンチックな景色。
大日平山荘へと続く木道もいい感じだ。
振り返れば、紅葉の山並み
PM1:25 大日平山荘で小休止。
ここから大日平を歩いて行く。
左手には弥陀ヶ原、そして後ろにひかえるのは薬師岳。
振り返ると雪化粧した立山連峰。紅葉とのコントラストがお見事。
次第に大日平が狭くなり、いつの間にか右手のザクロ谷、左手の称名滝の断崖によって
形成された痩せ尾根状態となっていく。この辺りが「牛首」だ。
これより一気に500mを下っていく。
称名滝創り出した美しいカーブを描く高さ500m近い断崖・悪城ノ壁。
細い滝が見えるが、「ネハンノ滝」だろうか。ここからは称名滝は見えない。
激下りを快調に下っていく。
ところが後ろから接近してくる軽快な足音。
大日岳山頂でお会いしたトレラン女子のようだ。
抜かれてなるものかと膝の調子がいいことにハイペースで下っていく。
PM2:37 大日岳登山口入口到着。なんとコースタイムの半分ほどで下ってきた。
膝の調子がいいねぇ~
称名滝を見に行こう。
バスからは何度か見たことがあるが、滝下から見上げるのは初めて
昨日の雨で水量も多いようだ。
落差350mという日本一の迫力!!
今回の山行を締めくくるのに相応しいフィナーレだ。
今回も見事に晴天と冠雪を引き当てた幸運。
富山ライフ、充実しています。
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