春の気配? 雪融け進む大普賢岳へ
大峰・大普賢岳1780m
この山は、過去に春に3回、秋に1回登ったことのあった。
しかし、冬期はまだ一度も登ったことがない。
大普賢岳は、厳冬期の大峰山系では最難関の一つに挙げられる山なのである。
その難関の一つ目は、アプローチとなる和佐又林道の除雪状態。
通り抜けすることがない林道なので、降雪があると深い雪に4駆+スタッドレスでも困難を極める。
二つ目は夏道では梯子が架かっている箇所が冬期は雪ですっぽりと覆われて、
急こう配の雪面となっていること。
さらに三つ目は、トラバースルートが雪で完全に覆われて、登山者の技量がここで問われるのである。
2月中旬の大雪は大峰にも多くの積雪をもたらし、
「今年の大峰は雪が多い」と聞いていた。
だが、先週、先々週とその機会に登ることが出来ず、今日この日を迎えたのであった。
今週初め、気温が高い日が続き、大峰界隈もかなりの融雪が進んだようだ。
3月1日、この日は午後から雨模様の天気予報であった。
そんな雨を見越して和佐又ヒュッテにはAM6:30に到着した。
雨が降る正午過ぎまでには駐車場に戻ってくる計画なのである。
和佐又ヒュッテ周辺もだいぶ雪融けが進んでいるようだ。
AM6:50 登山口出発
和佐又キャンプ場から振り返ると大台ケ原の山並み。
和佐又のコルはほとんど雪がない。
和佐又のコルを過ぎ、尾根を登って行くと次第に雪が増えていくが、
高い気温に積もった雪は緩い。凍結している箇所もなく、数日前のトレースの上からも
足がズボッとはまりこんでしまい、歩きにくい。
木々の間から弥山が見渡せた。
トラバース箇所も緩い雪のため、アイゼンを装着した足でも滑りやすい。
指弾ノ窟
指弾ノ窟を過ぎた箇所にある階段は完全ニ露出している。
雪が多ければ、難所となる箇所だろう。
朝日ノ窟
窟の奥には氷筍が見られる。
トラバースもだいぶ困難な状況になってきた。
それでも厳冬期ならもっと困難な状況なのだろう。
鷲ノ窟を過ぎて、最初の難関である日本岳のコルへの登りに差し掛かった。
トレースはうっすらと残っているものの、ズボっと埋まる足に体力を消費する。
それでも厳冬期の積雪時に比べれば楽勝だろう。
日本岳のコルに到着。
コルから見上げる尾根にも雪は少ない。
石の鼻
ここからは台高山脈が一望できるのである。
日本岳の向こうには大台ケ原
コルからは階段、トラバースを過ぎて、小普賢岳へとわずかに残るトレースを追う。
小普賢岳へは問題なく到着するが、問題はここからの下り。
40度近い斜面を下っていくのだが、緩い雪面にアイゼンが滑っていく。
ピッケルを十分に効かせ、慎重に降りていくのであった。
下りの途中、見上げると大普賢岳が迫っていた。
さらに大普賢岳への最後の登り。
トラバース
雪に埋まった梯子地帯
最後は夏道を逸れて山頂までの直登ルートを激登り。
AM9:50 3時間かかってようやく山頂にたどり着いた。
空は曇り空ながら、大峰の山並みを一望できる最高の場所。
独りだけの時間。
左に稲村ヶ岳 右に山上ヶ岳
大普賢岳の稜線に連なるその先には、弥山と八経ヶ岳。
そのさらに先、左には仏生ヶ岳~釈迦ヶ岳。
絶景を眺めながらのランチタイムだ。
大普賢岳の山頂にも発達した雪庇
眼下には和佐又山とヒュッテが見える。
その向こうの稜線は大台ケ原。
弥山の西側の空には雨雲が迫っているようだ。
あと2時間もすれば雨が降ってくるだろう。
十分に景色を堪能し、ピストンルートを下山開始。
途中、4人の登山者にすれ違った。
皆さん、お気を付けて~
下りはほぼコースタイム通りの時間で下山。
和佐又ヒュッテで駐車場料金を支払いながら、
小屋のおじさんとしばし談話。
先週はたくさんの人が登っていたようだ。
天気もよかったし、いい景色が見れたんだろうね。
厳冬期とはいいがたいが、冬の大普賢岳に無事登れたことで今日は満足。
積雪期のルート取りもわかったし、来季は1月末~2月中には再チャレンジしてみよう。
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