3月初より金沢に出張中となり、
ようやく休みが取れて山スキーに行けることになった3月16日。
しかし、今年の北陸は雪が少ないようで、選択肢に頭を悩ます。
今日の天気は午後からは低気圧通過により雨模様の予報。
午前中が勝負と見た。
さらに気温がやや高く、雪崩注意報も出ている状況。
そこで選んだ山は百名山でもある福井県の荒島岳1523m。
勝原スキー場跡からの標高差は1200mあるが、アプローチがよく、一気に標高を稼いでいくので、
短時間で登れるだろうということで今回選択とした。
コースは全て尾根沿いなので、雪崩の心配も少ないだろう。
昼前には雨が降り出る天気予報を見通しAM5:00スタート。
駐車場にあるトイレ(使用不可)横の電話BOX内で登山届を提出し、
雪のないスキー場跡をスキーを担いで歩き出す。
満月近い月の明かりを期待していたが、生憎のくもり空。
ヘッドライトを点けながら真っ暗なスキー場跡を登っていく。
ゲレンデ中腹辺りからようやく雪がつながってきた。
ゲレンデトップでスキーを履き、小休止。
振り返る景色の中に、野伏ヶ岳だろうか、曇り空の下にかすかに望めた。
ここから先は見事なブナの森。
豊かな森の様相に百名山であることに納得するのであった。
これは新緑や紅葉も綺麗だろうな。
また違う季節に来てみたいものだ。
「ととろの木」を発見。時間の流れを感じさせる風格がある。
薄っすらと積もった雪の下はカリカリに凍結している。
でも気温はさほど低くないので、スキーアイゼン(クトー)がよく効く。
見上げると前荒島岳が木々の間から顔を覗かせてくれた。
夏道はシャクナゲ平を経由して小荒島岳との分岐になっているが、
山スキーの機動力を生かして、シャクナゲ平には登らずに、
「もちがかべ」下のコルまでノートレースの斜面をトラバースしていく。
コルに到着、ここからがこのコースの最大の難所だ。
夏道は鎖場があるようが、積雪期の今は急な雪壁があるのみ。
シール登高でチャレンジしてみるが、カリカリの斜面に敢え無く断念。
スキー板を担いで、昨年末に買ったスキーブーツ用のアルミアイゼンを初装着。
その重量は350gなので、ほとんど重さを感じないのがGOOD!!
ワンタッチ装着だが、スキーブーツにガッチリと取付出来るので安心感十分。
しかし、スキー板5kgを担いだザックが重たい~
おまけに枝に引っかかったりして、なんとも登りにくい。
ようやく「もちがかべ」をクリアして、振り返ると眼下にはシャクナゲ平とその先には小荒島岳。
ここから先は木々も少なくなり、森林限界を越えた雪山を思わせる光景が広がっている。
稜線に見事な雪庇が発達しているルートを登っていく。
登りながら滑り降りるルートを探すが、なかなか楽しめそうな斜面がないなぁ~
南には能郷白山だろうか、真っ白い山塊が望める。
いくつかの偽ピークにくじけそうになりながらもAM9:05 荒島岳山頂到着。
山頂を示す標柱は頭をわずかに覗かせるだけ。
展望を期待していたが、山頂付近がガスに覆われてきた。
雨が近いようだ、早く降りよう~
休憩もそこそこにシールを剥がし、ビンディングを滑降モードに。
ブーツのバックルを締め、ヘルメット、ゴーグルを装着。
滑降開始だ。
出だしはカリカリバーンながらも中級斜面なのでまずまずの滑りが出来た。
しかし雪庇を踏み抜かないようにターンの幅を小さくして滑っていかなくてはならない。
もちがかべ上部にやってきた。最初は西側斜面を滑ってトラバース気味にいくが、
ヤブが多く、逃げれない。
結局は登高ルートをスキーを担いでピッケルで斜面を下りていくことにした。
シャクナゲ平を少し降りた箇所で一息つこうと、コーヒータイム。
脚も結構疲労しているので、休息だ。
静かなブナの森を眺めながらのひと時。
ゆっくりとした時間、自分だけの時間が過ぎていく。
休憩後、登高時にチェックしていた谷を滑り下りる。
ヤブが少なく、気持ちいいターンを雪面に刻んでいく。
高度差100mほどであったが、今日一番の斜面に満足。
この一瞬に出会えたことで今日一日の辛い登りも忘れられる。
しかしここからが大変だった。
谷から正規ルートに復帰するのに時間がかかった。
結局は標高差100mほどをスキーを脱いで登り返しことに。
復帰後は深いヤブにまともに滑ることもできず、
尾根沿いの夏道を横滑り状態でなんとか下っていくしかない。
ようやくゲレンデトップにやってきた。
ここから少しだけはまともに滑れそうだ。
朝に比べたら適度に雪も緩み、ザラメ雪のような雪質 これだけでも満足です!!
ゲレンデ中間部からは再びスキーを担いで無事下山。
今年の北陸の小雪は荒島岳でも同じだったようだ。
厳冬期の積雪でもヤブが完全に隠れなかったようで、山スキーにはいい状態ではなかった。
今度は雪の多い時を狙って、荒島岳山頂からの橋架谷や
小荒島岳北側の一のカラ谷を滑ってみたいもんだ。
そして山頂からぜひ白山を眺めてみたいと思った。
今日の装備です。
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