白き岩峰の装い 八ヶ岳・赤岳へ

Tekapo

2016年03月01日 19:56

降雪直後の八ヶ岳へ

厳冬期のその姿を見ることが出来たのであった。






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ヘッ電の光軸に浮かび上がる一人分の

トレースを追うように深夜の林道を歩いて行く。














昨日にわずかな降雪があり、

凍結したルートの上にうっすらと新雪が積もっているので、

美濃戸から12本爪のアイゼンを装着した。




見上げる空は雲間から星も覗き、

今日の好天は間違いないだろう。

月齢19の月が明るく林道を照らしてくれるおかげで

思ったよりも早く北沢ルートを歩けた。



AM5:00 赤岳鉱泉に到着。

名物・アイスキャンディーはまだ闇の中に沈んでいる。

この先の行者小屋までひと頑張りして大休止しよう。




行者小屋では多くの方が準備の最中であった。

ハーネスにぶら下げたカラビナの音が早朝の空間によく響く。

中にはモルゲンロートの瞬間を狙って三脚を立てる人も。










私も行動食を補給して、赤岳アタックの装備を身に着ける。

オーバーパンツ、ヘルメット、ピッケルをザックから取り出した。

バラクラバも被り、防風対策にゴーグルも装着だ。

12本爪アイゼンのバンドの締め具合を再チェックし、

AM6:10 アタック開始。



先行者につられてややハイペースになってしまい、汗を掻いてきた。

ドライレイヤーを着ているとはいえ、

汗冷えはゼロではないのであわててペースを落とす。

時折振り返りながら周囲の稜線のモルゲンロートに見入る。










昨日の降雪により横岳の岩峰も白化粧し、オレンジに染まっている。

美しい瞬間に間に合った。深夜2時過ぎから歩いた甲斐があった。






森林限界を越え、勾配が急になってきた。

汗を掻かないように、はやる気持ちを抑えながら登る。

アイゼンがしっかりと雪面を捉えているのを

確認するように足を進める。

緊張もするが、楽しい時間でもある。

足を止め、息を整える。

周囲の景色は溜まらない景色だ。


























早く山頂へ着いて、全展開の景色が見たい。

山頂直下の岩場にはしっかりとした

階段状のステップが刻まれ、問題なく登れるようだ。











AM7:40 赤岳山頂。









昨年の秋、初めてこの頂きに立ち、

次は厳冬期に登ってみたいと思った。

なんとか2月中に間に合った。

今年は雪も少ないが、一応厳冬期ギリギリセーフかな。


見渡す景色は秋に見たものとまるで違った。

南には甲斐駒ケ岳や北岳。そして富士山。












麓がうっすらと霞んでおり、まるで宙に浮かんでいるようだ。

北には浅間山、その左には北アルプスの連なり。

真っ青な空の下で展開される絶景にしばし魅了される。










もっと景色を楽しみたいが、風もそこそこ強いので、

体が冷えないうちに地蔵尾根へ向けて下山を開始する。









地蔵尾根との分岐の手前、二人の登山者のうちの一人の視線が

私に向けれる。私もバラクラバのフェイスを開け、ゴーグルを上げる。

お互い顔を認識し合う。

山友・COOPERさんとの2年越しの出合いである。









がっちりと握手を交わし、しばらくの談話が繰り広げられる。

記念写真を撮り、奈良・大峰での再開を誓う。







地蔵尾根は小さいながらもナイフリッジもあり、

慎重に下っていく。










対向する登行者が多く、思わぬ時間ロス。

赤岳鉱泉で装備チェンジと行動食・コーヒータイム。













休憩後、足早に美濃戸口を目指す。

冬靴での長い林道歩きが辛いが、気分は晴れやか。

久しぶりの雪山に大満足感一杯なのであった。


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