幻の滝「百四丈滝」を目指して

Tekapo

2016年04月26日 08:41

氷の滝壺に吸い込まれる雪融け水は圧巻であった。








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「百四丈滝」

白山の北方にある清浄ヶ原の雪融け水を集め、

深い谷を刻むこの滝は落差90mもあり、

滝壺までは一切岸壁に触れることのない直瀑である。

裏見の滝として国内最大級の滝であるそうだが、

なによりも私のこの滝を見たいという食指を動かしたのは

雪融け時期でしか見ることの出来ない「氷の滝壺」なのである。

氷の滝壺は滝の飛沫と凍結によって成長し、

その高さは40m以上になるそうだ。



加賀禅定道が1987年に復元されるまでは一般の登山者は

目にすることがなく、「幻の滝」とも呼ばれていたそうだ。

ましてや氷の滝壺を見るにはアイゼン・ピッケルの雪山装備が

ないとその近くへは行くとこが出来ないという

まさしく幻の滝の名に相応しい滝なのである。




東京長期出張中であるが、今年のこの機会を逃すとまた次は

いつになるかわからない・・・となれば今しかない。

4月22日、東京発、金沢行きの夜行バスへ乗り込んだ。

金沢駅では大阪からの同行者である

monamonaさんとnyantarowさんと合流する予定だったが、

monamonaさんの大阪出発が仕事の都合により遅くなり、

23日は金沢・富山観光となった。




翌24日、当初は奥長倉避難小屋泊の予定を日帰りの予定に変更し、

未明に一里野スキー場を出発。







しかし、今年の雪の少なさで加賀禅定道にはほとんど雪がない。

例年ならば雪に覆われた尾根を歩くのだが、

今年は雪融けで起き上がった藪に行く手を何度も阻まれるであった。

これが思わぬ時間ロスとなってしまう。




それでも出発間際まで降っていた雨も上がり、

ガスを抜けると空には青空、

そして眼下には一面の雲海に歓喜する。









遠くには剱岳から槍・穂高岳の北アルプスの山並みが一望出来た。






しかり場に到着。

ここにきて、一気に白山方面の展望が開ける。














難所を想定していた美女坂の上りは雪が少ないことが幸いし、

装備したロープの出番なく登り切ることが出来た。









そして尾添尾根に登り上げた。

清浄ヶ原のなだらかな雪原、そして四塚山の大展望。

この風景だけでも十分に素晴らしい。








そしてメインディッシュである百四丈滝を覗き込む。








尾根から滝壺までは標高差300mもあるが、

その大きさは十分に感じられる。

なんという造形だ。








清浄ヶ原から切り立った崖、

そこから一気に流れ落ちる雪融け水は

かなりの水量で尾根上からでもその轟音が聞こえる。

そして流れ落ちた水はぽっかりと口を開けた

氷の滝壺へと吸い込まれていく。

こんな滝の造形は今まで見たことがない。

恐らく唯一無比の存在なのかもしれない。




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