槍ヶ岳・槍沢は快晴なり 荒天のスキを突いて一気に滑降~!!

Tekapo

2016年05月07日 22:34

槍の穂先を目指してのシール登高は悠久の時間を感じた・・・








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今年のGWはなんと10連休をゲット出来た。

しかし休み前の10日間予報ではどうも好天が続かないようで、

日程選択に苦慮したのであった。

当初は新穂高~双六岳~黒部五郎岳~新穂高2泊3日を予定していたが、

雪の少なさと二日と好天が続かない天気予報に敢え無く断念。

確実に雪があり小屋も営業している槍沢を最終選択とした。




5月1日、小雨降る上高地を出発。










例年このルートは槍沢まではほとんど雪が無く、

山スキーヤー達はスキー板にブーツをセットして

その状態でザックにくくりつけるというスタイルで歩くのである。

私もその慣習にならい、板とブーツを担ぐ。

その重量23kg。

ザックの中にはデジタル一眼も入っていたのであった・・・・





槍沢ロッジでローカットシューズからスキーブーツに履き替え、

ババ平でようやくシール登高開始だ。










腐れ雪だが意外とシールは効き、標高を稼ぐ。

大曲り手前のデブリ地帯を通過。







大曲を過ぎて、しばらくすると稜線から吹き降りてくる強風。

その風は巻き上げられた雪の塊を含み、全身を痛いほどに打たれる。

さらに悪いことに気温が高いためウェアに当たった塊はその瞬間に融け、

撥水性の悪い私のウェアを見る見るうちに濡らしていく。







このまま高度を上げていくとさらに風は増し、

それと共に下がっていく気温に濡れたウェアは凍結するだろう。

下山する方に話を聞くと現在私がいる標高2400mよりも2~3倍の

強風が稜線では吹き荒れているそうだ。

稜線に上がるには最後の急斜面は板を担いで登らなければならない。

確実に私の体は板ごと吹き飛ばされるだろう。









下山決定!!

槍沢ロッジで風呂に入り、お腹いっぱいの夕食と布団での睡眠・・・

幸せ~ &爆睡 







翌5月2日。

この日は快晴が約束されていた連休前半で唯一好天の一日だ。

午前5:00 出発。

ババ平を過ぎ、再びシール登高開始。








まだ日の当たらない斜面はシールもよく効き、

順調に高度が稼ぐ。














グリ-ンバンド手前の急斜面は緩い氷結状態であり、

クトーが効きにくい。

スキー板を担ぎ、なんとかバンドの上部へと出た。


そしてそこからはいきなりの穂先登場。









真っ青な青空の下、見事な円錐形の穂先が待ってくれていた。

昨日の爆風に西側には霧氷がついて白くなっているようだ。











グリーンバンドからは再びシール登高となり、

穂先を目指してテンションはぐんぐん上がっていくのである。

しかし、一向に近づかない穂先、遠い・・・









そして最後の急斜面をスキー板を担いで、

午前9:30 ようやく槍ヶ岳山荘に着いた。











見渡す限りの快晴と天を突く穂先。

昨日の荒天を考えると最高の瞬間にここまで来れたのが嬉しい。










東には双六岳から三俣蓮華岳、鷲羽岳、そして黒毛五郎岳や遠く薬師岳の大展望







南には穂高連峰の頂が望める







今回は軽量化のため、アルミアイゼンを装備としたので、

穂先へのアタックは最初から想定外であり、

少しでも早い時間の雪が腐る前の斜面を滑り降りることとした。




山荘前や登高中のギャラリーの視線を一気に浴びて、

初の槍沢ドロップイン!!



















この時期としては最高の雪質。

二日前の降雪が黄砂を覆い隠してくれたのであった。

エッジが気持ちよく切り替わり、ターンを重ねる瞬間、

最高の時間が一瞬で過ぎていく。





グリーンバンドからは腐れ雪のストップスノーだが、

気合&掛け声でターンを繰り返す。









槍沢まで1時間弱で降りてきた。

ロッジでデポした荷物を受け取り、

板とブーツをザックに背負い、

ここから4時間の歩き。

肩に食い込む重さだけ楽しさの深さを感じさせるのであった。

今回の山行は自身の初滑り&滑り納めとなる予定だが、

最高の二日間であったのはいうまでもない。









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